便秘【医師監修】
便秘の悩みは、特に女性に多いようです。原因は体質であったり、食物繊維が足りない、水をあまり摂らない、といった食習慣であったり、運動不足であったりと様々です。 ここではこの便秘とニキビの関係についてお話しします。
腸の状態は肌にも現れる? ニキビの原因と便秘について
便秘だとお肌の調子が良くないはなぜ?
お通じがない、いわゆる便秘の状態だと、お肌の状態もあまり良くないですね。これは多くの方が経験していることと思います。
でも、腸の中の老廃物が身体の外に出ない状態と、肌にニキビができたり、ガサガサと肌荒れてしてしまうことがどう結びつくのか、今一つわからないのではないでしょうか。
便が必要以上に腸の中に長時間留まると、お腹の調子を整える善玉菌が減って便が腐敗したような状態になり、身体に有害な物質を作り出すようになってしまいます。
腸の中の状態がこうして悪化してしまうことで、善玉菌が本来作り出している肌の栄養となる物質(ビオチンなど、十種類以上の物質)が十分に肌に供給されなくなってしまい、正常な肌のターンオーバーが行われなくなります。
すると古い老廃物や角質が肌の表面に溜まってしまい、肌の調子も崩れてしまうと考えられているのです。つまり、善玉菌の働きが抑えられてしまうことが大きな原因となるのです。
便秘で増えた腸内の悪玉菌とニキビの関係
まだ、研究段階の一つの説に過ぎませんが、身体の細胞の老化に関係していると言われる「活性酸素」が便秘の人の腸内の悪玉菌によって多く作り出され、これがニキビが悪化してしまうことにも関連しているのではないかと言われています。
もしこの説が正しいのであれば、お肌は栄養不足と活性酸素による攻撃の、ダブルパンチを受けていることになります。
便秘を防ぐにはどんなことが効果的?
肌荒れやニキビの原因となってしまう便秘を防ぐためには、生活上で気を付けるべきいくつかの注意点があります。
もちろん体質的に便秘になりやすい方もいらっしゃいますが、そういった方でも日常生活の中で気を付けることで、ある程度改善が期待できるでしょう。
- 1.水分を十分に取る
- 2.食べ過ぎ、飲み過ぎを避ける
- 3.運動習慣をつける(理想的には週に数回以上)
- 4.食物繊維を取る
- 5.排便習慣をつけるために、朝食後など一定の時間にトイレに座る
- 6.朝起きぬけにコップ一杯の水を飲む
- 7.出来るだけ定期的にストレスを解消する習慣づけをする
- 8.ヨーグルトなど乳酸菌を含む食品を取る
これらを少しずつ生活に取り入れていくことで便秘の解消、あるいは改善が期待できるでしょう。
なかなか便秘も肌荒れも良くならなかったら
注意事項を試してみても、あまり改善が見られなかった方は、便秘薬を使って排便する、という方法もあります。便秘薬にも様々なタイプがありますが、市販のものをご自身の判断でお使いになる場合は、必ず決められた用法や用量を守りましょう。
用量に幅がある場合は最も少ない量から様子を見て増量していくようにしましょう。
便秘薬を常用しないと排便ができない場合、あるいは思い当たる原因がないのに急に便秘になったような場合は、消化器系の病気が隠れている可能性もあります。
単なる便秘症だと考えて放置せず、必ず一度は消化器内科の専門医の診察を受けるようにしましょう。
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医師監修
オラクル美容皮膚科東京新宿院 直子医師 -
- 経歴
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2012年3月 北里大学医学部医学科 卒業
2012年4月 北里大学病院 勤務
その後、都内クリニックで研鑽を積む
2020年2月 アクネクリニック新宿院 院⻑となる
2024年 オラクル美容皮膚科 東京新宿院勤務
便秘とニキビには、このように切っても切り離せない関係があります。便秘もニキビ、いずれもとても不快なものです。生活習慣や食生活を整えて、一気に両方解決してしまいたいですね。 また、便秘もニキビも、ストレスとの関連も大きいものとされています。スポーツを楽しんだり、友だちとおしゃべりしたりといった、上手にリセットできる方法を確保しておくことも、このストレス社会に生きる私たちの護身術と言えるかもしれません。