飲酒・喫煙【医師監修】
飲酒と喫煙はなんとなく体に良くないとわかっていても、やめられないものの代表格ではないでしょうか。 飲酒か喫煙、どちらか一方しかしないというという人もいれば、お酒を飲むとタバコが吸いたくなるというように、どちらも日々の習慣になってしまっている方も多いかもしれませんね。 しかし、女性であれば、妊娠や出産を機に遠ざかる場合もありますが、男性の場合は一旦始めるとどちらもなかなかやめる機会がありません。 ここではこの飲酒と喫煙が肌にもたらす影響、特にニキビの原因となってしまう理由について説明します。
飲酒&喫煙はニキビにどんな影響をもたらす!?
アルコールが肌にもたらす3つの影響とは?
1.糖分の摂り過ぎによるビタミンB不足
アルコール飲料はもともと何かしらの糖質を微生物の力を借り、発酵させてアルコールに変換させたものですので、糖分を多く含みます。糖分の過剰な摂取はビタミンB群の消費も増加させてしまいます。
ビタミンB群は皮膚機能や皮脂分泌調整と関係のあるビタミンですので、過剰なアルコールの摂取はニキビへの悪影響があると言えます。
2.塩分と脂質の多いつまみを食べてしまいがち
アルコールを摂取する場所は家や居酒屋などが多いと思いますが、特に居酒屋では酒のつまみとして塩分と脂質の高いメニューをついつい食べ過ぎてしまい、栄養のバランスも乱れがちです。
3.深酒で睡眠不足に…
お酒が進むとついついかなり遅い時間まで飲んで、翌朝は睡眠不足も伴いがちです。
これらのことは科学的な根拠ははっきりしていないものの、体全体へは悪影響であるため、ニキビに対しても悪影響をもたらすでしょう。また、長年飲酒をすると肝機能が落ちます。
肝機能が低下するとビタミンの貯蔵がうまくできずビタミン不足と同じようにニキビに悪影響をもたらします。
喫煙は肌にとっていいことなし!?
タバコによるニキビの悪化も科学的な根拠は今の所乏しいため因果関係は明らではありません。
しかし、毛細血管を収縮させて全身の末梢の血流量の減少がみられ、
- ・老廃物がうまく除去できない
- ・代謝が悪くなる
- ・皮膚の生理的機能が落ちる
など、肌にとって良くないことは想像に難しくなさそうです。
まずは食生活の改善を!
女性は体質的に便秘になりやすい方が男性より多いのですが、便秘により腸内に有毒物質が産出され、それが血中に流れ込んで、皮膚には活性酸素を生じやすくなってニキビが悪化しやすくなる可能性が指摘されているようです。
便秘にならないためには、
- ・適量を1日3回規則正しく食べる
- ・食物繊維を程よく含んだ食事で腸内細菌が繁殖しやすい環境を作ってあげる
- ・ヨーグルトなどの発酵食品を積極的に摂り、善玉菌を腸内に増やす
- ・体を動かし腸を刺激する
などが効果的と言われています。
具体的に食べるべき食品は?
ビタミンAの欠乏はニキビを悪化させるということが分かっています。
ビタミンAの多く含まれている食品は
- ・うなぎ
- ・ほたるいか
- ・ぎんだら
- ・バジル
- ・のり
- ・レバー
- ・あなご
- ・あゆ
などが挙げられます。
妊婦さんは摂りすぎてはいけないビタミンですので注意が必要です。
また、ビタミンB2とB6のそれぞれが不足すると皮脂の分泌が促進されるためにニキビが増えるということが言われています。
ビタミンB群は
- ・いかなご
- ・うなぎ
- ・さば
- ・ウニ
- ・鶏卵
- ・豚肉
- ・レバー肉
- ・魚の赤身
に比較的多く含まれています。
その他、ビタミンCが不足しますと活性酸素の除去がうまくいかず皮膚にダメージをきたしてニキビの悪化をきたすとされます。
ビタミンCの多い食品として
- ・ブロッコリー
- ・小松菜
- ・パセリ
- ・ピーマン
などの緑黄色野菜、レモンやいちご、イモ類などに多いとされています。
ビタミンCは水溶性ビタミンのため、基本的には摂りすぎても尿と共に排泄されるだけとされていますが、摂りすぎが続くと尿路結石のリスクが上がるので注意が必要です。
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医師監修
オラクル美容皮膚科東京新宿院 直子医師 -
- 経歴
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2012年3月 北里大学医学部医学科 卒業
2012年4月 北里大学病院 勤務
その後、都内クリニックで研鑽を積む
2020年2月 アクネクリニック新宿院 院⻑となる
2024年 オラクル美容皮膚科 東京新宿院勤務
いくら身体に良くないからとはいえ、一気に禁酒と禁煙をしたのでは、逆にストレスが溜まってイライラしてしまいますね。そのように無理やり我慢してやめていても、きっかけさえあればすぐに手を出して元通り…ということの繰り返しでは、意味がありません。 まずは自身のアルコール、タバコの摂取量を見直してみましょう。 そして、ビールなら1日〇杯まで、タバコは1日〇本までという風に少しずつ減らして慣らしていきます。 一度に完全にやめることよりも、減らしていくことを継続することを目標とするといいかもしれませんね。 皮膚は体の一部で飲酒量の適量化、3食規則正しくバランスの良い食事、禁煙が他の多くの疾患と同様、ニキビの予防や悪化抑制に大事です。日々節制して健康を保つことがお肌の健康にもつながるのです。