冷え性【医師監修】
ニキビができるのには、実に沢山の原因があります。そして大抵の場合、一つではなく複合的な原因でニキビができています。 皮脂が分泌過剰、乾燥肌、何らかの理由で皮膚の老廃物が多い状態になっていたり、アクネ菌が繁殖しやすい状況にあったり…これらの状況が複数重なっていたりします。 ここでは、こういった理由の中でも、あまり知られていないニキビの原因のひとつ「冷え性」について説明します。
ニキビができやすい…もしかして「冷え性」ではありませんか?
冷え性ってそもそもどんなもの?
特に女性の間でよく話題にのぼる「冷え性」ですが、そもそも冷え性とはどのような状態を指すのでしょうか。
冷え性は、特に身体の末端、手先や足先といった部分の血行が悪く、なかなか温まらないような感覚を、常時覚える状態を言います。
一説によると、なんと全女性の半分以上の方が自分を冷え性だと考えていると言われています。冷え性は、非常に多くの女性が抱える悩みごとなのです。
理由としては、女性は男性に比べ熱を産生する筋肉の量が少ないこと、貧血気味であったり血圧が低い女性が多いことが考えられます。また、生理の関係で冷えの症状が現れる場合もあります。もちろんストレスや動脈硬化といった、ほかの原因で四肢の末端が冷える場合もあります。
冷え性とニキビの関係って?
冷え性があると様々な不快な症状が出現します。例えば、肩こりや便秘、手足が冷えてなかなか眠れない、といったことなどです。さらにこの中にニキビができてしまうことも挙げられます。
ニキビができる原因の一つとして、身体が冷えて血液の循環が悪くなり、本来皮膚に供給されるべき栄養分が行き渡らなくなってしまうという状況があります。ですから、冷え性であればニキビができやすくなり、さらに、お肌から出た老廃物の排泄が滞るようになることもあり、ニキビが治りにくくなります。
冷え性の方は睡眠がうまく取れないことが多く、睡眠不足によるストレスがニキビを悪化させるという関係も生じてきます。
冷え性を改善するためにできることは?
冷え性は便秘やむくみ、肩こりなどたくさんの不快な症状の原因になります。そのため、冷え性のかたは「何とかして冷え性とさよならしたい」と思っているのではないでしょうか。
冷え性を改善するために、まずやるべきことは、少しずつでも身体を動かすこと。筋肉を作ることにもなりますし、心臓のポンプ作用を活性化することで、皮膚を含む全身の血流を良くして栄養を行き渡らせることもできます。
適度に運動をすることはストレス解消、さらに心地よい疲労感によって、不眠の改善にもつながりますから、一石二鳥、一石三鳥であると考えることができるでしょう。
また、運動の他には、食材に気を遣うこと。ショウガは身体を温める食材として有名です。他にも、例えば比較的新しい食材である羊肉、玉ねぎ、ごま油なども身体を温める食材として知られています。食べ方は温かいスープや鍋ものなどだと、寒い季節もおいしく味わえそうですね。
冷え性によくないのはどんなこと?
まずは薄着です。最近では、ファッションで冬でもミニスカートやノースリーブを着ている若い女性たちを見かけることがあります。このようなスタイルは、冷え性の方にはNGです。
また、できるだけ飲み物は温かいものを飲むようにし、冷たいものがほしい時にも氷抜きにするなど、体が内側から冷えすぎないように配慮しましょう。
また、食材でも身体の熱を奪う、冷えやすい食材が存在します。特に熱帯産の果物に多く、バナナ、パイナップルなどが冷え性に向かない食材と言えそうです。あるいはキュウリやトマトといった夏野菜も体を冷やしやすいので、摂りすぎには注意が必要です。
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医師監修
オラクル美容皮膚科東京新宿院 直子医師 -
- 経歴
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2012年3月 北里大学医学部医学科 卒業
2012年4月 北里大学病院 勤務
その後、都内クリニックで研鑽を積む
2020年2月 アクネクリニック新宿院 院⻑となる
2024年 オラクル美容皮膚科 東京新宿院勤務
ただでさえつらい冷え性がニキビまで引き起こすことがある、ということは意外と知られていないのではないでしょうか。 冬に体が冷えることは理解しやすいですが、現代の生活では効きすぎた冷房などで、夏場であっても冷えの問題から逃れられない方がいるようです。 短時間でも、定期的に運動をする習慣づけをしたり、食材は身体を冷やすものに偏らないよう選択することなどで、冷え性を改善できる可能性が期待できます。また、飲める方は少量のアルコール、あるいは香辛料なども身体が温まるので、時には摂取するのも良いでしょう。