ストレス【医師監修】
食生活や睡眠不足、間違ったスキンケアなどニキビの原因にはさまざまな要素がありますが、ストレスも、ニキビの原因になることがあります。ここでは、ストレスとニキビにどのような関連性があるのか、詳しくご紹介します。
強いストレスがかかると肌荒れに!?ニキビの原因とストレスについて
ストレスがたまると体にどんな影響があるの?
万病の元と言えるストレスは、体にどのような影響を与えるのでしょうか。
私たちの体は、「交感神経」と「副交感神経」という2種類の自律神経が体の機能を司っています。リラックスしている状態のときは副交感神経が優位になっているのですが、肉体的・心理的ストレスを感じると体が「戦闘モード」になり、交感神経が優位になります。
- ・交感神経が優位になることで起こる体の変化
交感神経には、体の機能を高める役割があります。そのため交感神経が優位になるとアドレナリンやその前駆物質であるノルアドレナリンの分泌量が増えたり、男性ホルモンの一種であるテストステロンの分泌が促進されたりします。
ストレスが原因でニキビが形成されるのはどうして?
ストレスは体にさまざまな影響を与えますが、そのこととニキビが形成されることとの間には、どのような関係があるのでしょうか。ここからは、ストレスによってニキビが出来やすくなったり、肌の調子が悪くなったりするメカニズムについて見ていきましょう。
- ・皮脂の分泌が促進される
交感神経が優位になることでその分泌が促進されるアドレナリンには、皮脂の分泌を促進する作用があります。また、同じくその分泌が促進されるテストステロンも、Ⅰ型5αリダクターゼの作用を受けることで、皮脂の分泌を促進するようになります。
つまり人はストレスを感じると交感神経が優位になり、その影響によって皮脂が過剰部分泌されることがあるのです。
皆さんの中にも緊張したりショックを受けたりした時などに、顔の肌が脂っぽくなった感じがしたという経験を持っている方がいるのではないでしょうか。
- ・毛穴に皮脂が詰まり、ニキビが形成される
ニキビは、毛穴に皮脂や古い角質が詰まって角栓を形成し、面ぽうを形成することで発生します。そしてそこにアクネ菌や黄色ブドウ球菌が繁殖すると、赤く炎症を起こすようになります。
上述のように人はストレスを感じると、交感神経の作用によって皮脂の分泌量が増加します。皮脂量が増加するということはそれだけ毛穴に皮脂が詰まるリスクも高くなるということですので、結果的に、ニキビができやすくなるのです。
ストレス社会で生きるあなたにおすすめのスキンケア
ニキビの原因がストレスにあるならば、ストレスの「もと」を除去するのが最も効果的です。ストレスの原因としては心の問題に限らず以下のような要素が挙げられますので、当てはまるものがないかチェックしてみてください。
- ・騒音や温度の変化といった物理的要因
- ・薬物などによる化学的要因
- ・感染症や炎症などによる生物的要因
- ・仕事の悩みや人間関係の悩みなどの心理的要因
専門家の手を借りるのも一つの選択肢
ストレスを改善するためには、趣味に没頭したり、軽い運動をしたりするなどして頭の中をリセットするのが効果的です。
しかしできることを試してみてもセルフコントロールが難しい場合は、専門医の手力を借りて、薬の処方やカウンセリングなどを受けみてはいかがでしょうか。
日々のスキンケアを丁寧にすることも大切
たとえニキビの原因がストレスにあるとしても、ニキビを改善するためには日々のスキンケアを丁寧にすることが大切です。現代社会で生きている以上、全くストレスを感じないようにすることは難しいかと思いますので、丁寧なスキンケアをすることでニキビの発生を予防しましょう。
具体的には、以下のようなニキビケアが効果的です。
- ・皮脂を取りすぎない
- ・毎日洗顔料でやさしく洗顔する
- ・化粧水や美容液による保湿
- ・クリームなどで皮膚の表面を保護
またストレスにさらされている肌は通常よりも敏感な状態にありますので、低刺激性の基礎化粧品を使ったり、楽しんでスキンケアできるように好みの香りのものを使ったりするのもおすすめです。
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医師監修
オラクル美容皮膚科東京新宿院 直子医師 -
- 経歴
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2012年3月 北里大学医学部医学科 卒業
2012年4月 北里大学病院 勤務
その後、都内クリニックで研鑽を積む
2020年2月 アクネクリニック新宿院 院⻑となる
2024年 オラクル美容皮膚科 東京新宿院勤務
ストレスを感じて精神的に辛いうえにニキビまでできると、さらに気分が沈んでしまいますよね。もちろんストレスを解消することは大切ですが、たとえそれが難しくても、毎日のニキビケアによって症状を改善することは十分可能です。また、ストレスをセルフコントロールできない場合やセルフケアだけではニキビを改善することができない場合は、専門医を受診してみることをおすすめします。