耳のニキビの原因と対策【医師監修】
意外に思われる方も多いかもしれませんが、実は耳にもニキビができやすいということをご存じでしょうか。痛みを伴うことも多いので、一度できてしまうとなかなかつらい場所です。もともとニキビができやすい人だけでなく、中には耳にばかりニキビができてしまう方もいらっしゃいます。 ここでは、耳のニキビに特有の原因や、治療法を中心に、なってしまった方はどうすればいいのかなども含めてご紹介します。

耳にもニキビができる! 原因と治療法は?
ニキビができてしまう原因は「毛穴」にあり!?

ニキビは青春のシンボルともいわれますが、耳のニキビは大人になってからなる方も多くいます。そもそもニキビというのは、皮膚の表面にある毛根が皮脂で詰まってしまうことで発生します。
耳にも毛根があるの?と不思議に思われるかもしれませんが、耳には毛が生えていなくても毛根は存在しており、そこに皮脂腺から分泌された皮膚が詰まってしまうのです。肌がダメージを受け傷んでいたり、乾燥していたりすると、肌を守るために皮脂が通常より多く分泌されます。
さらに、耳はもともと皮脂の分泌が多く、皮脂が多く分泌されたところにアクネ菌が繁殖すると、赤くはれ痛みを伴います。
耳ニキビの原因は?
耳ニキビといっても、耳の中にできる場合と耳の後ろや周りにできる場合で原因が異なります。
耳の中にできたニキビ:
耳の中はしばしば不潔になりやすいところです。特にイヤホンを長時間付けていることが多い方は耳の中が蒸れて不潔になりやすい状態となります。また、耳かきをしすぎて傷をつけてしまう方なども耳の中にニキビができやすいとされています。
耳の後ろや周りにできたニキビ:
耳の後ろやその周りは、洗顔時に洗い残しやすく、また洗顔料を十分流しきれないことも多くあります。さらに、髪の毛が当たりやすいので整髪料などの刺激を受けやすい場所でもあります。このような肌へのダメージがニキビの原因となると考えられています。
ついに耳にニキビが・・・自分でできるケア方法は?
まず、肌へのダメージを防ぐことが一番です。
耳の中のニキビができやすい方は、イヤホンを使用する場合などは特に注意してください。イヤホンを付けっぱなしにしないように注意し、時々片耳ずつ外して、中が蒸れないようにしましょう。
また、耳垢をきれいにする際には、耳かきを使うのではなく、綿棒を使うようにしましょう。取りにくい場合には綿棒を水に濡らして中を湿らせたり、お風呂上がりなどにそっと取ったりするようにしましょう。
耳の周りにニキビができやすい方は、とくに耳の付け根の洗い残しや洗顔料のすすぎ残しに気を付けましょう。シャンプーやコンディショナーなどのすすぎ残しが多い場所ですので注意しましょう。もしムースなどの整髪料を変えた後にニキビができやすくなっているようであれば、もとの整髪料に戻すことも検討してみてください。
ニキビは皮脂の詰まりにより起こっていると聞くと、一生懸命洗われる方もいるかもしれませんが、極端にこすり過ぎたり何度も洗ったりすると、乾燥を起こし肌にダメージとなるため逆効果です。洗う際は石鹸をよく泡立て、優しく撫でるように洗うようにしてください。
耳のニキビは耳鼻科で薬を処方してもらうのがベスト
市販の傷薬を塗ることもしばしばありますが、耳の中はなかなか自分では確認できないので、耳鼻科に行き、本当にニキビなのかを確認してもらうことがおすすめです。
医師が処方する薬としては、
- ・アクネ菌に対する対策としての抗生物質
- ・皮膚の乾燥を防ぎバリア機能を高める保湿剤
などが耳の中に対してはよく用いられます。
一方耳の周囲に対しては、通常は刺激となるものを減らすことでだんだん良くなってきますが、頑固な場合近年新たに保険が適用になった、
- ・アダパレン(ディフェリン)
- ・過酸化ベンゾイル
といった外用薬で、皮膚の新陳代謝を高めて毛穴が詰まるのを防ぐものも一般的なニキビと同様に使われます。
これらは塗り始めにヒリヒリ感などの副作用が見られる方もいるかもしれません。
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医師監修
オラクル美容皮膚科東京新宿院直子医師
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- 経歴
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2012年3月 北里大学医学部医学科 卒業
2012年4月 北里大学病院 勤務
その後、都内クリニックで研鑽を積む
2020年2月 アクネクリニック新宿院 院⻑となる
2024年 オラクル美容皮膚科 東京新宿院勤務

耳のニキビは耳の中にできるのか、耳の周囲にできるのかにより大きく原因や対処法が異なります。痛みが強いことが多い耳の中のニキビでは、自分で確認することができないので、一度耳鼻科で本当にニキビなのか、確認してもらうのがよいでしょう。 一方、耳の周りのニキビでは、泡立てた石鹸で優しく洗う、洗いすぎない、きちんとシャンプーやコンディショナーを洗い流す、保湿剤や乳液などを用いるなどに気を付けて肌を正常に保つ努力をすることで、皮膚へのダメージを抑えましょう。 それでもどうしても治らない場合などは、跡を残してしまう前に医療機関を受診することもご検討ください。