頭皮のニキビの原因と対策【医師監修】
頭が痒い、触ってみると痛いニキビが頭皮にできていた!そんな経験をされたことのある方も多いのではないでしょうか。 しかし、もし頭皮にばかりニキビができてしまうようでしたら、頭皮のニキビになりやすい原因にあてはまっているのかもしれません。原因を把握して、そこに気を付けて対策を行うことで、頭皮のニキビを撃退しましょう。 また、なってしまった方はどうすれば良いのか、生活でできる工夫と病院での治療についても解説します。

しつこい頭皮のニキビ!原因と治療法が知りたい!
ニキビのできるメカニズムは?

ニキビは、毛根が皮脂で詰まってしまうことが原因で発生します。その後、その詰まった毛根に、皮脂が大好きなアクネ菌が繁殖することで、赤く腫れたニキビとなります。ひどくなると、じっとしていても痛くなってしまいます。
では、なぜ皮脂が詰まってしまうのでしょうか?その原因は大きく2つあります。
1.皮脂の過剰な分泌
皮脂は毛根の脇にある皮脂腺から分泌されるのですが、肌が痛んでいると、肌を守ろうと通常より多く分泌されます。また、ストレスによるホルモンの乱れや、生理前なども皮脂分泌が増える原因とされています。
2.新陳代謝の低下
ストレスや寝不足、偏った食生活などにより新陳代謝が低下することがニキビの原因となっています。
頭皮のニキビの原因はついやってしまいがちなアレ?
頭を洗う時にきちんと頭皮まで洗えていますか?逆に洗いすぎていませんか?汚れが多すぎても、皮脂をとりすぎてもニキビを引き起こす原因となります。
皮脂にダメージを与える原因として、
- ・シャンプーやコンディショナーなどをきちんと洗い流せていない
- ・熱すぎるお湯で頭を洗う
- ・ドライヤーで熱風を頭皮にあてすぎる
また、
- ・紫外線
- ・ストレス
- ・寝不足
- ・ビタミン不足
などもニキビを引き起こす原因となります。
自宅で簡単にできるケア&予防法は?
まず、頭皮へのダメージを防ぐとともに、きちんと余分な皮脂と汚れを洗い流すようにしましょう。シャンプーは1日1回が勧められています。
シャンプーは手のひらでよく泡立ててからつけ、爪を立てずにきちんと頭皮をマッサージするように洗いましょう。そしてすすぎにしっかり時間をかけるようにしましょう。あまり熱いお湯は皮脂をとりすぎてしまうので、ぬるめのお湯を使うようにしましょう。

また、睡眠不足を避ける、リラックス時間を作ることなどにより新陳代謝を下げないように気をつけることが重要です。
一度できてしまった時にとても大切なことは、気になるでしょうがとにかく触らないことです。触る刺激で治りが遅れるだけでなく、感染を起こしたり、感染を他の場所に広げてしまう原因となります。
薬による治療なら医師に処方してもらうのがオススメ!
通常、薬での治療の場合は以下のような薬が用いられます。
- ・アクネ菌に対する対策としての抗生物質
- ・皮膚の乾燥を防ぎバリア機能を高める保湿剤
- ・新陳代謝を高める薬
薬局で市販されている薬や、薬用効果をうたったシャンプーなどもありますが、悪化傾向にあるようでしたら、医療機関に受診されることをお勧めします。
近年、医師の処方せんが必要な薬ですが、比較的ニキビに対する効果が高いとされるアバタレンという薬が認可されました。これは、皮膚の新陳代謝を高めることで毛穴が詰まるのを防ぐものです。最初の数週間ヒリヒリ感や赤みを感じる方が多くみられますが、徐々に改善することが多いです。
ただ、この薬はアクネ菌を殺す作用はありませんので、感染が疑われる場合には抗菌薬(飲み薬・塗り薬)が併用されることもしばしばおこなわれます。
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医師監修
オラクル美容皮膚科東京新宿院直子医師
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- 経歴
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2012年3月 北里大学医学部医学科 卒業
2012年4月 北里大学病院 勤務
その後、都内クリニックで研鑽を積む
2020年2月 アクネクリニック新宿院 院⻑となる
2024年 オラクル美容皮膚科 東京新宿院勤務

頭皮のニキビは、髪の洗い方の問題で起こっていることが大半です。まずは自分のシャンプーの仕方について検討してみましょう。残念ながらできてしまった場合には、なにより触らないことが大切です。 もし赤くなったり痛みを伴い大きくなってくるようでしたら医療機関を受診して投薬などの治療をご検討ください。