抗ニキビ剤でニキビを治す【医師監修】
一昔前は、ニキビは自分で様子を見たり、薬局の薬を付けて治すことが多かったのですが、いまは皮膚科で診てもらうことも増えてきました。今まで皮膚科にかかったことのない人は、皮膚科に行くとどのようなことをしてもらえるか気になりますよね。 ここでは、皮膚科へ行ったときに処方される薬に注目してご紹介いたします。

早くニキビとサヨナラしたい!抗ニキビ剤によるニキビ治療とは?
皮膚科で用いられる薬にはどんな薬がある?

1.保湿剤
肌へのダメージがニキビの原因となります。保湿剤を適切に用いることで肌のバリア機能を高め、ニキビの悪化と再発を防ぎます。
2.抗炎症薬
赤みを伴ったニキビなどでは、炎症を落ち着かせることで、ニキビを小さくしていくことができます。状況によって、ステロイド系の薬を用いる場合と、非ステロイド系の抗炎症薬を用いる場合があります。
3.抗生物質
ニキビが多発していたり、膿を伴っていたりする場合などには、抗生物質の塗り薬や飲み薬を用いて菌を殺すことを目指すこともあります。
4.漢方薬
皮膚の炎症を抑えたり、ストレスに対しての耐性を強めたり、女性の生理の乱れを整える作用のあるタイプの漢方薬などが全身の状態などに応じて用いられることもあります。
5.ビタミンA誘導体の軟膏
近年保険が用いられるようになった薬で、重度のニキビに対しても効果が高いとされています。新陳代謝を高める作用のある塗り薬で1日1回寝る前に使用します。新陳代謝を高めるため多くの方(特に乾燥肌の方)はヒリヒリ感が出ます。
6.過酸化ベンゾイル
こちらも近年保険が使えるようになった塗り薬です。殺菌作用と毛穴を開く両方の作用があります。夜寝る前、洗顔後に用います。多少ヒリヒリ感などの副作用が出る方がいらっしゃいますが、アダパレンよりは頻度が少ないとされています。
7.ビタミン剤
状況によっては、皮膚の新陳代謝を助けるためビタミン剤が用いられる場合もあります。
8.イオウ含有軟膏
市販もされているタイプの軟膏です。特有のにおいがあります。角質を柔らかくし、殺菌効果や皮脂の抑制効果があるため、脂性肌の方のニキビに適していますが、皮脂が少ない乾燥肌の方には使いにくいです。
9.サリチル酸製剤
たこや魚の目の治療にも用いられる薬で、角質を柔らかくする作用が強い薬です。しかし、刺激が強いため初期のニキビに用いられることが多いです。
薬を使うデメリット。どんな副作用がある?

いずれの薬もニキビを起こしにくくしたり早く治そうとするためのものですが、中には副作用があるものもあります。保湿剤やビタミン剤などは特に副作用も少なく、皮膚のバリア機能を高め、正常化する働きがあるものです。
しかし、過酸化ベンゾイルやビタミンA誘導体の塗り薬では新陳代謝を高めるというメリットがある反面、肌がピリピリする、刺激が出やすいというデメリットがあります。
また、イオウ含有軟膏やサリチル酸製剤など角質に作用するタイプのお薬は、敏感肌の方の場合にはさらに肌の荒れを悪化させてしまうというデメリットもあります。
抗生物質も特に内服薬では、アレルギー反応や肝機能障害などをきたす方も中にはいらっしゃいますので注意が必要です。
このような副作用については、予測が難しいものもありますので、使ってみて何か合わないと感じた場合、すぐに使用をやめ、早めに相談してみましょう。
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医師監修
アクネクリニック 新宿院院長
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- 経歴
- 2012年3月 北里大学医学部医学科 卒業
2012年4月 北里大学病院 勤務
その後、都内クリニックで研鑽を積む
2020年2月 アクネクリニック新宿院 院⻑となる

皮膚科で処方できる薬は様々なものがあります。中には薬局でも売っている薬もありますが、皮膚科へ行く一番の目的は専門家に肌の調子を見てもらい、また今までの既往を聞いて、自分に合った薬を見立ててもらうことです。 最近はオフィス街などで昼休みや夜遅くまでやっている皮膚科もありますので、ニキビが気になっている方、繰り返してしまう方は相談されてみてはいかがでしょうか。