面ぽう圧出でニキビを治す【医師監修】
更新日:2023年4月3日
身体の調子や生活習慣の乱れなど、些細なきっかけでニキビができてしまうことがあります。特にオイリー肌の方は、ちょっと気を抜いただけですぐ顔を出してしまうのがニキビではないでしょうか。ここでは、皮膚科で行うニキビケアの1つ「面ぽう圧出術」について説明します。
ニキビの表面に穴をあける!?面ぽう圧出によるニキビ治療とは
面ぽう圧出術ってどんなもの?
「面ぽう」という言葉自体、聞きなれない方が多いかもしれません。これはニキビの原因となる、毛穴を詰まらせている皮脂や細菌、はがれ落ちた角質などのかたまりのことで「コメド」とも呼ばれています。この面ぽうを押し出して取り除く治療が、面ぽう圧出術です。
この治療は健康保険も使えますし、皮膚科でもよく行われています。色々なタイプのニキビに使える方法でますが、炎症を起こす前の初期、いわゆる「白ニキビ」に対して行うと悪化を防ぐことができ、効果的だと考えられています。
どんなやり方をするの?
面ぽう圧出術を行うためには、ニキビの表面に非常に小さな穴をあける必要があります。これには2通りの方法があります。
1つは清潔な細い針で穴をあける方法、もう1つはレーザーを用いて穴をあける方法です。そして、この小さな穴から、面ぽう圧出器という専用の医療機器を用いて、毛穴に詰まっている皮脂や細菌などを押し出します。
医療機関の受診が必要な方法ではありますが、レーザーなどと異なり、長い期間ガーゼで保護したり、特に念入りな施術後のケアなども必要ないため、皮膚科で行う専門的なニキビケアとしては気軽な方法と言えるでしょう。費用も健康保険の範囲内であり、少額で済むことも、面ぽう圧出術の大きな魅力と言えます。
自宅でニキビを絞り出すのとどう違うの?
皮膚科で行う面ぽう圧出術と、私たちが日常生活の中で「ニキビを絞って中身を出す」という行為の違いは、まずニキビの表面に開ける穴のサイズです。医療機関で行う面ぽう圧出術は非常に小さな穴をあけて絞り出すので、皮膚の傷、つまりダメージが小さくて済むのです。
自分で行うとニキビを潰す、といった感じになり、最悪の場合、それが原因でひどいニキビ跡になってしまう場合もあります。皮膚科では清潔な滅菌した器具で行い、施術後に消毒もしっかりするので感染の可能性も少なくなります。自宅でニキビをいじっているうちに破裂してしまったというケースでは、指から多量の雑菌が入り込み、化膿してしまう恐れがあります。ニキビを自分で絞り出すことは、やめておいたほうがいいでしょう。
面ぽう圧出術を行うことで、どんな効果が期待できる?
面ぽう圧出術を行い、毛穴に詰まった皮脂や角質、細菌などを一旦きれいにすることで、炎症を起こす原因となる細菌と毛穴の詰まりが取り除かれ、ニキビが早く治癒することが期待できます。またニキビの表面に穴をあける際に、滅菌した細い針ではなくレーザーを用いると、その部分にかかる熱により菌が死滅し、今後ニキビができにくくなるとも言われています。
面ぽう圧出術は、医療機関で行えば、極めて安全な方法ではありますが、特に効果が高いと言われる初期のニキビの段階では、食生活や生活習慣、自宅でのスキンケアなどで何とかしたい、と思う患者さんが多く、適切なタイミングを見計らって皮膚科を受診する方が少ないとも言えます。
面ぽう圧出でニキビは完治する?
面ぽう圧出は毛穴に詰まった細菌などを取り除く治療であり、ニキビ治療においては「応急処置」という位置付けになります。
せっかく処置した毛穴も放置すればまた同じようにニキビが発生してしまう可能性があるため面ぽう圧出でニキビが完治することはありません。 今あるニキビを処置し、今後ニキビができない肌を目指すのであれば根本治療が期待できる「アグネス」がおすすめです。
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医師監修
オラクル美容皮膚科東京新宿院 直子医師 -
- 経歴
- 2012年3月 北里大学医学部医学科 卒業
2012年4月 北里大学病院 勤務
その後、都内クリニックで研鑽を積む
2020年2月 アクネクリニック新宿院 院⻑となる
2024年 オラクル美容皮膚科 東京新宿院勤務