イオン導入でニキビを治す【医師監修】
美容などの話題でイオン、あるいはイオン導入といった言葉を聞くことが増えてきたのではないでしょうか。エステティックサロンや美容皮膚科などでのスキンケアはもちろんのこと、電機店で市販されている例えば美顔器やドライヤーの機能としてもイオンの力を利用したものを見かけるようになってきていますね。 このイオンがニキビ治療にも活用されていることをご存知でしょうか?

イオン導入によるニキビ治療とは? 治療方法や効果について
イオンは肌にいい?イオン導入のメカニズムは?

学校の化学の時間などに習ったことのある「イオン」。これとスキンケアがどのように結びつくか、今一つイメージが湧きにくいのではないかと思います。
イオン導入は、お肌に有効とされる成分を、お肌の表面に塗るだけよりも効果的に、肌の奥深くに浸透させるために用いられる技術で、軽い電流を流すことでお肌の比較的深いところまで有効成分が染み渡りやすくさせることができると考えられています。 微弱とはいえ、「電流を流す」と聞くとなんだか痛そう、怖そう、というイメージがありますが、痛みは一般的にあまり感じないと言われています。
どうしてこれが「イオン導入」と呼ばれているのかというと、私たちのお肌の
- ・表面にある角質層は本来「プラスイオン」が多い状態
- ・やや深い場所にある顆粒層は「マイナスイオン」が多い状態
になっています。
このため、生来肌の表層と少し深い層には微量の電流が流れているのです。これが外からの物質の侵入を防ぐバリケードとして働いていると言えます。この状態に外から電流を流すことで、バリケードの力を弱めることがイオン導入の仕組みです。
ニキビ治療にはどんな効果がある?
このイオン導入を行う機械を用いて、ニキビのケアを行う方法が、後述する「イオン導入を用いたニキビ治療」です。
具体的に、よく行われる方法としては、ニキビの原因の一つとなる皮脂の過剰分泌を抑える働きのあるビタミンCをお肌にイオン導入することで新たなニキビの発生を予防する方法があります。
また、ビタミンCは既にできてしまったニキビに対しても、炎症を抑えてくれる効果があると言われています。
イオン導入を用いたニキビ治療のメリットは?

イオン導入を用いたニキビ治療のメリットとしては、同じように効果がある成分を用いたとしても、通常のスキンケアより肌の深い層に浸透し、より高い効果が期待できるという点です。 また、電流を流すというイメージとは異なり、ごく軽いピリピリした感覚程度で、痛みはほとんどないと言えることも大きなメリットでしょう。
さらに、例えばビタミンCをイオン導入でお肌に浸透させる治療を行うと、ニキビの予防や治療効果に加えて、
- ・ニキビ跡が残りにくくなる
- ・お肌に張りが出てプリプリする
- ・シミなどに対する効果
なども期待できそうです。
デメリットは?こんな人はイオン導入が受けられない場合も!
逆に、イオン導入を用いたニキビ治療で注意すべき点、デメリットとしては、これらの治療は一般的に自分でできるものではないので、やはり美容皮膚科などにいって行うことになり、ある程度、時間と費用が掛かります。
また、非常に微弱とはいえ身体に電流を流すという施術の特徴から、
- ・妊娠している可能性がある方
- ・身体に金属が埋め込まれている方
は行うことができません。
身体に入っていることのある金属の例としては、例えば骨折後の固定金具などが残っているケースもありますし、義歯などが金属でできている場合もあります。
また、ピアスなどおしゃれ目的で付けている金属でも、施術の際に外せないものがある場合はイオン導入は受けられません。もちろん、ペースメーカーが入っている場合もNGです。アートメークなども、使っている色素によっては金属成分を含む場合もありますから、施術前に必ず相談するようにしましょう。
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医師監修
アクネクリニック 新宿院院長
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- 経歴
- 2012年3月 北里大学医学部医学科 卒業
2012年4月 北里大学病院 勤務
その後、都内クリニックで研鑽を積む
2020年2月 アクネクリニック新宿院 院⻑となる

高価な化粧水や美容液を使っても、何だかあまり肌に浸透している気がしない、もう少し成分がスッとお肌に入っていくといいのにな…と感じている方には、イオン導入はぴったりの方法かもしれません。 ニキビの施術の際は、美容皮膚科などでは例えば、ピーリングなどと組み合わせてイオン導入による治療が行われる場合もあるようです。現在、ニキビ治療にもいろいろな選択肢がありますから、医師とよく相談して、納得のいく結果の得られる治療が見つかると良いですね。